らん

宝箱

PG wasn't built in a day 1月13日 愛知公演

※当記事はPG wasn't built in a dayのセットリスト、演出、衣装等のネタバレを含みます。参戦される予定のある方はご注意ください。

らんです、ワズビル初日公演に行ってきました。初日にあまりこだわらないタイプですがたまたま地元での公演だったのと、何よりこの日がわたしの20歳の誕生日だったため、こんなの誕プレじゃん!!行くしかないだろ!!!と即応募、FC最速先行で早々にチケットを勝ち取りました。
少し日が空いてしまいましたがライブレポを残そうと思います。前述の通りガッツリネタバレしているため参戦される予定のある方はここでブラウザバックをお願いします。

 

 

入場口で電子チケットのQRを見せる。スタッフさんがそれを読み込むと目の前の機械からチケットがでてきた。印字された文字が見えないよう裏返しのまま渡される。
入場特典を受け取り、呼吸を整えてチケットをひっくり返す。───アリーナ16列目。
いい席のはずなのに前回の暁でだいぶ座席に対するハードルが上がってしまったのと、ここ数ヶ月ずっと最前を取ることしか考えていなかったため欲張りなわたしは少しだけガッカリしていた。この時の自分を本気で殴りたい。
座席表を確認しながら会場をうろつき、自分の席に荷物を置く。思ったよりも近かったがそれよりもパイプ椅子を数個挟んだ傍にある黒い何かの方が気になる。なんだろうこれ。
「これ花道じゃない?」
友達であり同行者のYちゃんが囁く。元々興味がありそうだったので軽く背中を押したところ想像以上に簡単に沼まで転がり落ちていった。その勢いでFC入会を勧めると沼落ちから数日で彼女はラバッパーになった。一年前のことだ。
いやでも映像で見る限りアンフェの時は花道なんてなかったよな……。そもそもアリーナツアーで花道なんてあったっけ?これ機材なんじゃないか?どう考えても花道なのになぜかそんなことを思った。
客いじりを終えたスクリーンには城らしき建物の壁が映し出されていた。時計はちょうど17時を指している。始まる実感がない中、席でじっとしていると、いきなり暗転した。いよいよだ、と立ち上がる。スクリーンが引きの映像に切り替わり、まるで城までの道のりを辿るかのように道が映し出された。今回のツアー名を頭の中でなぞる。PG wasn't built in a day───ポルノは一日にしてならず。
ファンファーレが鳴り響き、スモークの中に背の高い影が見えた。晴一さんだ、と気づいた瞬間ドキッとして小さく息を呑んだ。かなり近い。続いて昭仁さんの登場。丈の長いジャケットをひらりと靡かせ颯爽と現れた。
ファンファーレはいつの間にか覚えのあるイントロに変わっていた。煽りもないのに全員が声を合わせて叫ぶ。もちろんわたしも思いきり叫んだ。
「フー!フー!」
ツアー幕開けの合図だった。

 

1、Century Lovers

大きな音とともに大量の銀テが飛び出してきた。銀テの雨が照明に照らされてキラキラと輝いている。生まれて初めて手にした銀テに興奮が収まらないまま顔を上げるとほんの数メートル前に岡野昭仁新藤晴一がいた。夢のような光景だった。
何も考えずに全身ではしゃぐ。暁の時には声が出せず、この曲のためだけに3,000円のボイスストラップを購入した。あの時C&Rできなかった曲を、1曲目から全力で叫ぶことが出来るなんて誰が予想しただろう。銀テを握りしめ飛び跳ね続けた。こちら側を向きながら演奏している晴一さんが嬉しそうに笑っている。神神以来の声出しライブ。この場に立ち会えているのが本当にうれしかった。

 

2、テーマソング

「やっと歌えるよー!!!!」
思わず唇をかみ締める。やっと。やっと完成するんだ。まだまだコロナの禍中にあった2021年、この曲がリリースされてどれほど救われたか。いつか一緒に歌おうよ、と私たちと未来の約束を作ってくれたことがどれほどうれしかったか。腹から声を出して全力で歌った。幸せだった。

今その胸は震えているか?

会場全体を揺るがすような、熱のこもった歌声だった。


3、キング&クイーン

テマソンからのキンクイ。目の前が輝き出す。演出も相まって本当に何もかもがキラキラしていた。どこまでも光に満ちている曲。

こんな時代周りはほら 暗い話題ばかりで

なんとなくこの曲を選んだ理由がわかった気がした。銀テを握る手にどうしようもなく力が入る。綺麗に持ち帰りたかったのに終演後に見たらクシャクシャになっていて悔しかった。


4、Mugen

思わず悲鳴をあげてしまった。やると思ってたよ〜!!!Mugen大好き!!!
「歌え!!!!!」
昭仁さんに煽られ全力で声を出す。
ウォーオーオーウォーオー!!ウォーオーオーウォーオー!!
信頼だ、と思った。序盤からいきなり声出し楽曲を連続で披露しても、声出しが5年ぶりだったとしてもお前らならやれるだろ?とことん盛り上がれるだろ?と言われているような気分だった。
昭仁さんがマイクを両手で包み込むように持ち、「それは祈りの姿に似ていた」と祈りのポーズをしながら膝を着いたところで、昇天。それ以外の記憶が飛びました。

 

【挨拶】

🎤「名古屋の皆さんこんばんは!!!」
こんばんはー!!!!と元気に返す。楽しい。本当に楽しい。
🎤「19thライヴサーキットPG wasn't built in a day、今日がその初日です!いやぁ……やっぱり降りましたね。物販並んどる時とかみんな寒かったじゃろ。今は晴れとる……らしい。帰りに降ったらごめんね」
年明けから毎日天気予報を見ていたのだけど、ずっと晴れマークで降水確率も20%くらいだったのが、3日前くらいからいきなり雲行きが怪しくなり案の定雨が降った。流石すぎてもう笑うしかない。
🎤「ワシらがー!!!!ポルノグラフィティじゃ!!!!!」
お決まりのセリフとともに晴一さんに話が振られる。
🎸「私事ではありますが」
🎤「ほぉ?」
🎸「今日初めてコンタクトを入れて、ライブに挑んでおります!」
🎤「おお!」
🎸「すんごいゴロゴロする!」
🎤「そりゃあね、50近くで目にねぇ、異物を入れてるわけですから」
🎸「今までだいたーいよ。見えてるよ!後ろの方まで一応ぼやっと見えてるよ!って言いつつだいたーいだったんですけど、今日はちゃんと見えています。だからあれよ、このツアーの初日と、みんなの初日と、俺のコンタクト初日」
そう言いながらコンタクトを入れる仕草をする晴一さん。今日こんなに色んな初日が重なってるんですか?めちゃくちゃめでたいので来年から1月13日は祝日にしてください。偉い人よろしくお願いします。
🎤「皆さんと再び繋がりたい、そしてセレブレーションしていこうと思います。聞いてくださいREUNION」←ここ記憶なさすぎてめっちゃざっくりです


5、REUNION

うおおおぉぉぉ!!!セレブレーションっていうからてっきり俺セレかと………。
思わず目を細めてしまうほど激しいフラッシュ、その後暗闇と静寂の中に緑の照明だけが差し込む。対比の演出がとてもカッコよかった。
配信ライブの時と同じロゴがモニターに出現した瞬間鳥肌が立った。コロナ禍真っ只中にできた曲。声出しが許可されたこの環境で披露できるのは初めてだったと思い出す。今日この場でやることに意味がある1曲だと思った。

 

6、俺たちのセレブレーション

いややるんかい!!!好きだから嬉しいけどやるんかい!!!オタクを手のひらで転がすな!!!
これまでのライブ映像が大量に映し出される。ステージの2人も見たいし映像も見たい。どう考えても目が足りない。全部がかっこよくて困る。書きながら気づいたけど今年の年賀状ってこれの伏線だったのか?
惑ワ不や神神を見て生で聴いたらきっと楽しいだろうなぁと常々思っていたので聞けて嬉しい。そういえば初めて検索したMVこれだったな……。


7、アニマロッサ

イントロが何故かリンクに聞こえ、待ってましたこれこれぇ🎶と思っていたら「風を切るツバメのように」と聞こえてフリーズした。アニマロッサっていつぶり?TARGET?(調べたらしまなみ以来らしいが映像がない) パレットや素晴らしき人生かな?などのちゅるちゅる系ソング大好き人間なので本当に聞けて嬉しかった。結構長いことやってない気がするしそろそろ来るのでは?と軽く予想は立てていたけれど本当にくるとは思わなかった。
中学時代は漠然とカッコイイ曲だなぁと思いながら聞いていたけれど、いざ生で聴くと力強さの中に儚さも感じられてかなり印象が変わった。献身的で強くて温かくてまっすぐな愛。「そばにいる 終わりまで」でグッと心を掴まれた。

 

8、メリッサ

アニプレで披露して話題になったばかりのこの曲。メリッサって最強ですよね、みんなメリッサ大好きだもんね、全人類メリッサ聞こうね。
ロングトーンも相変わらずで何度聞いても惚れ惚れとする。ペース配分なんて考えんよ!と確か冒頭で言っていたけど本当に考えてなさそうで、いつだって手加減せずに全力でライブに挑む姿が本当にカッコよくて大好きだった。

 

会場が再び明るくなる。晴一さんが見えるよー見えるよーと言わんばかりに観客席を見回している。それにみんなが反応するといきなりとぼけたような顔をして目をこすりピントを合わせるように目を細めていた。
🎤「さぁ、最初も行きましたが、ここからはね、また真ん中で演奏したいと思います。これから準備がありますのでしばらくお待ちください」
どこからともなくスタッフさんが現れ、手際よく楽器やら機材を準備していく。そちらに気を取られていると、
🎤「皆さん気になるのはわかるんですけどね、そちらではなくステージのおじさんたちを見ててくださいね」
少し笑いながらイタズラがバレた子どものように首をすくめてステージに目を向けた。
🎸「……プロじゃのぉ。ケーブルが全然絡まん。うちのPS5なんかめっちゃこんがらがっとるのに」
🎤「あれなーんであんなにこんがらがるんやろうねぇ、不思議」
しばらく感心したようにプロじゃのぉプロじゃのぉと言い合っていた。可愛い。
🎤「場を繋がないといけないわけなんですけども、お正月なにしてました?」
🎸「因島に帰ってました。君もでしょ?」
🎤「そうじゃね。ワシも因島帰ってました」
🎸「会ってはないけど」
🎤「そうですね、会ってはないです。新藤とは高校からの友人で、今回ワシは小中の友人たちと、まあサッカー部時代の仲間たちですよ、彼らと会ってました」
🎸「○○(恐らく共通の知り合いの名前)から連絡きたもん「あっきんも帰ってきてるみたいよ」って居酒屋で一緒に飲んでる写真送られてきた」
🎤「あー!あれか!」
いや待っていまなんて????あっきん?????え?????????会場もザワついた。
🎤「ワシはその友人たちとサッカーをして、飲みに行っていたわけですけど」
🎸「ふふ、みんなおっさんなわけですけども」
🎤「まあ中学の時からじゃから……結果はと言いますと、2ゴール、」
おおー!と声が上がる。
🎤「2アシスト、」
すごい!また声が上がる。
🎤「……1メガネ壊しという成績で」
ん?
🎸「1メガネ壊し?」
🎤「そう、メガネ壊し……。人数が足らんくて、ギター、ギターじゃないわ、キーパーをやってくれた方がいたんですけどその方のメガネを壊してしまい………その人からしたらね、全然楽しくなかったと思います。新年早々メガネ壊されて最悪だったんじゃないかな」
50近くになっても中学時代の同級生達と関係が続いていて、その仲間たちと元気にサッカーをしているのがあまりにも平和でほっこりしていたのに、まさかの展開に笑いが止まらなかった。
🎤「そうこうしている間に準備ができたということで、行きましょうか」
サポメンを引き連れてみんなが花道に。またまた距離が近くなりドキドキした。
🎤「聞いてもらう曲は、Sheep〜Song of teenage love soldiers〜です」
曲名を告げられた途端、ありえない声量で悲鳴をあげ、Yちゃんと抱き合った。

 

9、Sheep〜Song of teenage love soldiers〜

大好きな大好きなこの曲を生で聴ける日が来るなんて。アコースティックだとまた雰囲気が違っていてさらによかったです。本当にこの曲可愛くて愛おしくて甘くて大好きなんだよ〜〜〜ありがとう。
確かこの曲だったと思うんですが、晴一さんが何やら足元の機械を気にしながらずっとニヤニヤしていたりギターを持ち直したり困り眉で照れ笑いを浮かべていたりととにかく可愛かったです。目の前でハモリ見られたのもラッキーだったなぁ。このあたりから明日もこの席がいい!!!ってごね始めていた。ちなみに2日目はアリーナ後方だったんですが、ステージどセンターだったので演出全部を真正面から見ることができてこれはこれでうれしかったです。
たまに照明の逆光でハレーションを起こして何も見えなくなる時があるけれど本人と照明の光が重なる瞬間はくっきりと本人の姿を捉えることができる。まるで日食のようだった。ちょうどそのタイミングで昭仁さんがこちらを見た。目が合う。どうすればいいか分からず動揺したまま大きく頷いた。どなたか推しと目が合った時の最適な行動を教えてください。

 

🎤「sheep、久しぶりにやりました。まあ特典とかではやったりしてたんですけどね。これを書いたのは30歳前後の時かな、まだその時にはティーンエイジャーの、10代の気持ちがまだ残っていたんでしょうね。この歳になるとね、10代の時のことを思い出すのもなかなか大変になりました。それではもう一曲聞いてもらおうと思います。ジョバイロ


10、ジョバイロ

えっ、えっ、えっ、嘘。
前回の暁でも披露されたためもう当分は聴けないものだと思っていた。しかもアコースティックバージョン?怪しげなラテンが鳴り響く。

人は誰も哀れな星 瞬いては流れてゆく
燃え尽きると知りながらも 誰かに気づいてほしかった

イントロなし、まさかのアカペラ始まりだった。ラテンがさらに強調され、曲の切なさがより引き立つ。クラップはやや控えめになるものの個人的には原曲よりも好きだ。というか暁で原曲そのままを浴びてこっちでこんな豪華なアレンジも浴びれるなんて最高すぎやしないか……?

曲を終えて一度暗転する。スクリーンでは一輪の黄色い花が風に揺れていた。そこにバッタがやってきて雨宿りを始める。どの曲が来るかはもう一目瞭然だった。

 

11、フラワー

一輪の小さな花に宿る大いなる生命力を綴った曲。わりと最近のシングルなのに(といっても2018年)影が薄い印象だったけれど、生で聞くとバラードとは思えないほどの力強さに満ちてていて強烈な存在感を放っていた。どうしてアンフェ以来やっていなかったんだろう……と不思議に思うほどだ。一語一語噛み締めるようにして歌っていた。


12、夜間飛行

意味がわからなかった。
や、や、や、や、や、夜間……………飛行………………???????ちょっと待って本当にそんなことありえるの、え?
夜の滑走路が映し出される。バタエフェの最初も確かこんな感じだったなぁなんて思いながら早々にこの曲の世界観に酔わされていた。
サビの辺りで少し溜めて語尾を伸ばすような歌い方をしていて、それがまるで「行かないで」という悲痛な叫びのように聞こえて切なさに胸が締まった。
スクリーンに目をやると美しい夜景が映し出されていた。この曲に出てくる男女が見ていたのもこんな景色だったのだろうか。二人はそれぞれを何を思ってこの夜景を見つめていたのだろう。わたしの勝手な推測だけど、女性側は目の前の夜景なんて正直どうでもよかったと思う。ずるい人だってわかってるのにそれでもどうしようもなく好きで、全部を知りたい、全部をわかりたいのに肝心なことは何も教えてくれない彼を前にただ泣くことしかできない。それでも彼が何を考えているか少しでも知りたくて、答えを見つけるような気持ちで見つめている。男性側はどうだろう。本当は相手の目を見るのが怖くて、紫煙を揺らして誤魔化しながら目の前の綺麗な景色に逃げてるだけじゃないのかな。女性が一方的に恋に翻弄されているような解釈でいたけど、本当は二人とも同じくらい弱くて脆い人なのかもしれない……やっぱり生で聴くと曲の解像度があがりますね。

 

インタールード

晴一さんがNaNaNaのときの口ウワ(ボコーダーというらしい)を使っていておぉっ!となった。視線を少しだけ落としながらギターを弾く表情がすごく野性的というか、ロック魂の片鱗が垣間見えてとてもカッコよかった。


13、オレ、天使

赤いライトとともにサイレンのようなイントロが鳴り響く。アンフェの一発目でやっていたため、もう聞くのは無理だろうと半ば諦めていたあの曲だ。
頭をフル回転させる。確かアンフェの時セリフの部分は音源だった。OMCは?確か前後曲と絡ませた感じで音源とは違うセリフだった気がする。……だとしたら今回は、もしかして。
「あぁ、オレ、天使。そうエンジェル」
ステージに白い羽根が生えた天使が現れた。
ウソウソウソウソウソ………。
羽根を生やした岡野昭仁がステージであのセリフを口にしている。何これ幻???????
「……ということで、今日もポートメッセなごやをパトロール
目の前の光景があまりに現実とかけ離れ過ぎていて頭がおかしくなりそうだった。
「オレの仕事なんだってさっ」の語尾が跳ねていたり「あーぁ」の部分など全体的にセリフの言い方が少し幼く子供っぽく、そして呆れているように聞こえた。最後のセリフの部分では少し人間を嘲笑うかのような表情を浮かべていて、それが天使のキャラをより引き立てているようだった。本音を言うと最高すぎてめちゃくちゃ癖に刺さりましたありがとうございます幸せです。
とかなんとか考えてたら最後の「人生」で全部持ってかれました。思わず後ろに少しよろけた。本当にありがとうございました。

 

14、170828-29

これも意外だった。正直もうあまり披露することのない曲だと思っていた。
スクリーンにドット絵の城が映る。攻撃(恐らくミサイル)を受けて燃え上がり徐々に崩壊していく不穏な映像。まるでゲームのように呆気なく崩れていく。ステージでは本物の炎が交差するようにあがっていて時折熱がこちらにも伝わってきた。
重いテーマの曲だけどピースピース!は想像以上に楽しかったです。またやりたいな。


15、アビが鳴く

ギターが重々しく鳴り響く。自然と背筋が伸びた。白黒の映像(おそらく戦時中に近い時代のもの)をバックに歌詞が流れていく。
ここのオレ天→ミサイル(170828-29)→アビの曲順には唸った。まず天使による警告から始まる。けれど愚かな人間はそれに耳を傾けず、誰一人幸せにしない血が流れるような争いばかりを繰り返してしまう。次にミサイルで今この時代に実際に起こっていることに視線を向ける。この曲ができてから7年近い月日が流れたけれど、未だに日本に向かってミサイルは飛んでくるしウクライナ戦争が起こったりとむしろ状況は当時より悪化している。そして最後に『アビが鳴く』で改めて問いかける。また同じ過ちを繰り返すの?と。
オレ天で「キレイ事じゃないんだよね世の中」と歌い、アビでは「綺麗事が綺麗事となぜか揶揄される現」と歌っている。天使は愚かな人間を突き放していて、対してアビは諦めずに平和に真っ向から挑んでいる。そんな対比が見えるようだった。


🎸「ここで!新曲を聞いてもらおうと思います!」
え!?!?!?新曲!?!?!?ここで!?!?!?
noteやらなんやらでも新曲リリースが近いことは知っていたものの、全体像が見えずずっと焦らされていた。けどアンコールの時でもなくこんな本編のど真ん中に差し込まれるなんて思わなくないか!?どうしようどうしようどうしよう。
🎸「我々デビューして25年、アマチュア時代も含めたら30年ほどになりますかね。ちょうどこの時代って失われた30年と言われているんですよ。けど別に僕らの25年って何も失われていないんです。この時代を生きているからって僕ら別に不幸でもなんでもないんですよね。最近は、今までをなかったことにして明日に希望を持つ方がいいみたいな風潮がありますけど、それも違うんじゃないかなって。まあ我々もこれまで明日は明るいとかここではないどこかを求めたりとかそういう楽曲も作ってきましたけど、じゃあ今いる場所にいい事や楽しみがないかって言われたらそんなことはないじゃないですか。そんな感じの歌です。解放区と言います、聞いてください!」


16、解放区(新曲)

あ、思ったよりも爽やかな曲調かも。そんなふうに思っていると

「太陽」の名を口にするな 裏切り者の名前だ
明けない夜を受け入れたら
不確かな場所に怯えることなく 安全な場所で夢をご覧

思わず目を見開いた。
太陽とか光とか、一般的には明るく前向きとされるものに裏切られたと感じるような出来事があったり、それらと自分は縁遠い存在だと思ってる人達に向けた曲なのがすごくうれしかった。今いるこの場所も今の自分も無理に変える必要はない。ここにだって夢や希望はある。何より「安全な場所で夢をご覧」という歌詞、正直ここが1番びっくりした。こんなこと言ってくれるバンド、世界中どこ探してもポルノグラフィティしかいないよ。
2番以降はうろ覚えなのだけど、光の国というワードが出てきたのは覚えている。おそらく自分たちとは対極にいる人たちのこと。でも。

この国は終わらない 私とお前がここにいる限り

闇や夜を好むような、太陽があまりにも眩しすぎてつい顔を背けてしまうようなそんなわたしたちの国だって終わることはないんだよ。そう優しく教えてくれる。肯定できない自分を受け入れてくれる。ここへおいでって優しく抱きとめてくれる。わたしはポルノグラフィティがこういう歌を歌ってくれる人達だからこそ、こんなにも好きになったんだと改めて実感した。この人たちのファンで本当によかった。
🎤「みんなに愛されるような曲になりますように」
こんなのもう一生愛するに決まってるじゃないですか。最高すぎて通常盤も初回限定盤も両方予約しました。本当に素敵な曲をありがとうございます。


17、空想科学少年

再び花道へ。イントロからまたテンションが上がる。高校生の時にハマって通学中ずっと聞いてた曲のひとつ。

ラララ僕が(僕が……) 大人になる頃には(には……)

生で聞くのは初めてなのに手が勝手に動き出す。この曲が生み出す特有の雰囲気に酔いしれていた。本当に何度でも聞きたい。やってくれてありがとうだよ〜!

 

18、ミュージック・アワー

何気に初めて普通のミュージック・アワーを聞けた。暁や夏フェスで披露したファンキーバージョンも好きだったけど、やっぱり原曲通りのも聞いてみたかったからうれしかったな……。ダイヤルをするっ!!!!は健在でニコニコしました。それにしても空想科学少年からのMアワはロイスーを彷彿とさせますね……。
昭仁さんが目の前で変な踊りしてくれたのが本当に最高だった。初めてMステで変な踊りを見た時、こんなのあるんだ!とテレビの前で一緒になって踊った時の気持ちを思い出して口元が緩んだ。


19、アポロ

僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう
アポロ11号は月に行ったっていうのに

小学6年生の冬。アポロを初めて聞いた時、あまりに衝撃的すぎてその場から動けなくなった。テレビの画面から目が離せず、呆然としながらもとんでもない曲と出会ったことだけはわかった。
「歌え!!!!!!」

あの時わたしに人生初めての衝撃を与えた曲を、目の前で披露している。こんなに幸せなことはない。
この曲はやっぱり全員のテンションをさらに高くするのか会場全体がかなりの熱気に満ちていた。
「ラブ・E・メール・フロム・名古屋ー!!!!!!!!!!」
ここのパートで地元の名前叫ばれるのこんなにうれしいんだね。地元公演最高すぎる。ちなみに2日目は「ラブ・E・メール・フロム・名古屋ーーー!!!!!!!愛してるぜーー!!!!!!」だったんですけどこっちもめちゃくちゃうれしかったです。愛してるって最強の言葉。


20、サウダージ

TFTラブシャ同様アカペラでのスタートだった。何度聴いても全ての意識を持っていかれる、永久に色褪せない名曲。
照明は紫と青と少しの赤。なんとわたしが初めてテレビでサウダージを見た時の照明と配色が同じだった。郷愁という言葉を聞くとみんなこんな感じの色をイメージするのだろうか。
それにしても本当に本当にこの人は歌が上手いな……。いくつになってもどんどん進化し続ける歌声。もうすぐ50だというのに年齢を全く感じさせない。凄すぎる。
余談ですが2日目の席で見た時、去年の春にCDTVで披露したサウダージと画が同じでめちゃくちゃ感動しました。

🎤「5年ぶりの声出し。沢山歌って沢山手を叩いたと思います。最後にもう一度、皆で一つになりましょう」
ここまで声出し曲やC&Rのある曲を沢山やってきて、それでもまだやってないもの。色々あるだろうけどこの時のわたしは1曲しか思い浮かばなかった。


21、オー!リバル

予想はできていたはずなのに最初のギターで大絶叫した。何を隠そうこれはわたしが初めて聞いたポルノグラフィティの曲なのです。当時は小学生ながら熱烈なコナンオタクだったため映画のパンフレットも持っていたのですが、あまりに曲が良すぎてそこに載っていた歌詞ページをずっと眺めていました。懐かしい。
ロッキンでもラブシャでもやらなかったから少しガッカリしていたけれど、もしかしてこの時のために取っておいたのかな。そんなふうに思っていると照明とスクリーンで二人が真っ赤に染まった。その一瞬がとてつもなくカッコよくて思わず息を呑んだ。
初めてのオー!リバルは意外と難しかった。オーエーオーエーオーと叫びながら指差ししては手を叩く。頭がこんがらがりながらも全力で楽しんだ。

 

【アンコール】
ポルノコールとともに再びふたりが登場。昭仁さんが喋りながらイヤモニを付けようとするがなかなかうまくいかず、客席から応援の声が飛び交い少し苦笑いを浮かべていた。
🎤「アンコールですが2人だけでね、やってみようと思います。頑張って練習してきたので、皆さんもタオルを回したり飛んだり跳ねたりしながら自由に楽しんでください。聴いてもらう曲はハネウマライダーです」


EN1、ハネウマライダー

なぜだかわからないけどこの時とても懐かしい気持ちになった。ハネウマのアコースティック、過去にもあった気がするからそれかな……。終始穏やかなのかと思ったら「曲がるつもりもないっ!!!」や「Handle切ってぇ!!!!!」は通常運転でした。
アコースティックだといつものテンションでタオルを回していいものか少しだけ迷ったけれど、歌う前に自由に楽しんでって言われたしな、と思いいつも通りぶん回した。ステージにふたりきり、練習もふたりで頑張ってやったのかなぁなんて思うと途端に愛おしい気持ちが込み上げてくる。

僕たちは、自分の時間を動かす歯車を持っていて、それは一人でいるなら勝手な速度で廻る。
他の誰かと、例えば、ここにおる!!!お前らと!!!!!触れ合った瞬間に、歯車が噛み合って時間を刻む。

この曲でいちばん好きな部分。口元が緩んだ。Hey you!もしっかりやっていて嬉しかったです。

 

メンバー紹介を終え、声出し可能の環境下になってから初のアレがついにできる。
🎤「オーンギター!」
ハルイチー!!!!!
🎤「……合ってるよね?ちょっと久々だからこれでおうとるのか自信なくなってきた、オーンギター!!」
ハルイチー!!!!!
🎤「ギター!!新藤!!!晴一!!!!!!」
🎸「二日前にね、ゲネプロをしたんですけども。ゲネプロってのは本番と同じように最初っから最後まで衣装着て照明も通しで全部やってもらうやつのことなんですけども。そこでスタッフに言われたんですよ、晴一さんお正月感ありますねって」
🎤「え?」
🎸「お腹周りがお正月感ありますねって」
🎤「あー……」←めっちゃ冷めてた
🎸「厳しくない?」
🎤「まあこればっかりはねぇ……仕方ないといいますか」
🎸「厳しくない?ポルノ。いやデビュー25年にもなるとさ、やっぱりその貫禄が、」
🎤「シンプルにもちって太るよね」
🎸「え?」
🎤「もちって太るよね」
🎸「なに?」
🎤「なんでもない」
🎸「……あ、もち?」
🎤「もち!ライス……!ライス……ネチャネチャ」
ライスネチャネチャ!?!?!?!?まさかのワードに「今なんて……?聞き間違いじゃないよね……ネチャネチャ………?」と考え込んでいたらいつの間にか名前を呼ぶターンになっていた。
🎸「おかのー」
アキヒトー!!!!!
🎸「おかのー!」
アキヒトー!!!!!
🎸「ボーカル、岡野、昭仁くーーーん!!!!!」


🎤「さて、告知もありましたが今回はですね、初の試みです。1曲だけ撮影OKということで、皆さんスマホのご用意を!ヘッドストラップも使ってくださいね。.......誰も使っとらんじゃないか」
軽くツッコミつつ笑う。当日まで席がわからない以上角度調整も難しそうだったし正直手で撮った方がうまくいく気がして買わなかった。申し訳ないけど正解だったと思う。ライブ後の使い道もわからなかったし。
🎸「今この瞬間充電切れた人とかいるんだろうな〜きっと」
🎤「それは悲惨だねぇ……大丈夫ですか?スマホで撮る準備は出来てますか?」
みんなが続々とスマホを構え始める。
🎤「おお〜なるほどね。初めての試みですけど、でも!盛り上がってくれないけんのね。なんかこう、役割決めてよ?ここは私、みんなが盛り上がっとるからしっかり撮っとこうとか、次は私、ここは盛り上がらせてもらうわみたいな、それぞれ各々で様子見合ってやってよ?そうせんとこう、これ撮影OKのこう、Xか何かに投稿するんですか?」
待って昭仁さんあの元青い鳥アプリのことちゃんとXって呼んでるの?!ここ何気に衝撃でした。
🎤「投稿OKなの?……なんですね?それが盛り上がってない画になってしまうと、ものすごい寂しいことになりますんで頼みますよ?盛り上がりつつ撮影してっ!!!よろしいでしょうか!!!」
はーーーい!!!と元気に返事をする。
🎤「さて初めての試み、ラスト1曲でございます。おもうとこす、おもいのこす、思い残すことのないように!最後は暴れて帰って欲しいなと思います。いいでしょうか!ラスト!1曲!ジレンマ〜!!!!!!!」

 

EN2、ジレンマ

こんなに近いしせっかくの機会だから撮って帰りたい気持ちと、全力で飛び跳ねて何も考えずにアホになって帰りたい気持ちが混在し、周りも少し迷っているような雰囲気だった。それでも煽られると片手を突き上げてしまうし大きな声で応えたくなるし飛び跳ねてしまう。
ソロ回しでみなちんが二日間ともまほろばを弾いてくれたのが本当に嬉しかったです。ありがとうございます。ポルノグラフィティ絶対近いうちにまほろばやってね。お願いしますよ。
🎤「初日、お客さんがあんたらでよかった。最高のスタートを切れました」
思わず唇をかみ締めた。そんなことを言われたらウルッとしてしまう。
🎤「あんたらは素晴らしい。あんたらは最高じゃ。だからこそ!胸張っていけー!!!自信もってけー!!!」
これが自分のスマホに残っている幸福感を何度でも噛み締める。撮影可能時間を設けてくれて本当にありがとう。一生聞き倒します。

🎸「ツアーに行ってきます!さっきアンコール前に外出たらめちゃくちゃ寒かったので!皆さん!あったかくして帰ってください!!」
🎤「今日はありがとう!次会うときまで元気でいてください!!」

 

 

こうしてワズビル初日を終えた。代表曲をこれでもかと詰め込み、コアなファンのツボもしっかりと抑え、さらに新曲まで聞けた最高のライブ。もちろんわたしが許容できるキャパはとっくに越えていて、ヨロヨロと椅子に腰掛けた。

個人的に、あらゆる「初めて」をたくさん回収できたのがうれしかった。ポルノを知るきっかけとなったオー!リバル、衝撃のあまり頭上に雷が落ちたアポロ、あまりの美しさに夏の間中ずっと歌詞を眺めていたアゲハ蝶、一段と寒い冬に煌びやかな夜をくれたサウダージ。ファンになる前に聞いていた曲をほぼ全部やってくれた(ひとつわがままを言えば沼落ち最後の一手となったLiARもあれば完璧だった……LiAR聴きたい……)。声出しワンマンも初めてだし、初日公演も、銀テープも、こうしてみると何もかもが初めてだらけだ。

ライブ中、これ中高の時によく聞いてた!!ってなることが多くて(暁はアルバムツアーだったからかあまりこういう感想を持たなかった)、わたしの10代の至る所にポルノグラフィティの音楽があった事実に胸が熱くなる。自分にとって大切な場面やターニングポイントとなる箇所には、いつもポルノグラフィティがいたなぁとしみじみ思う。

20歳の誕生日をこんな最高の形で迎えられたのもきっと何かの縁だと思う。わたしも最高のスタートを切れました。20代になっても変わらず、ポルノグラフィティの音楽とともに同じ道を歩んでいきたいと思う。

初参戦を一年ぶりに振り返る

去年の今日、12月5日はポルノグラフィティ18th LIVE CIRCUIT暁 愛知公演1日目だった。わたしが初めてポルノグラフィティに生で逢えた日。

ということで一年前を振り返ってみる。記憶だけじゃさすがに心許ないのでライブ円盤や会報、当時のツイートや勢いのままに書いたライブレポを見返しながら書いていこうと思う。

 

2022年12月5日

長い長い列が進みいよいよ入場、チケットを表示させたスマホの画面を見せる。スタッフさんが画面に指を置くと大きく「入場済」の文字が現れた。こんなシステムなのか!と感心しつつ会場のドアを開けると、ステージが思った以上に近くて驚いた。三日前、座席が出て職場で声を上げそうになったのを思い出す。

∠らん on X: "うわああああああああああ https://t.co/9tFEEBAyD6" / X

f:id:akht99hrit:20231201213912j:image

本当に息が止まるかと思った。職場で叫ぶ訳にも行かないのでTwitterの方で思いっきり絶叫させていただきました。

踏み締めるように階段を一段一段降りていく。1階席の後方でこんなに近いなら前の方もっとヤバいんじゃないか………?そんなことを思いながら自分の席を見つけた時想像以上の近さに思わず泣きそうになった。ステージから10mくらいしか離れていない。すぐ目の前にスピーカーがあるため鼓膜が破れないかだけ心配だった。でもそんなことよりも初参戦なのにこんな近くで二人を見てもいいの………?贅沢過ぎないか………?

f:id:akht99hrit:20231115124101j:image

見てわかる通りずっと興奮しっぱなしで開始前から早くもトランス状態だった。必死に呼吸を整え、一旦落ち着こうとまだ誰もいないステージを眺めた。

色々な大きさのパネルが散らばるように吊るされていて、暁の色味をした小さなシャンデリアが3つ並んでいる。そして扉が立てられていた。ライブ会場というよりディズニーやユニバなんかにありそうなホラー系のアトラクションに近い感じだった。何よりアナウンスがさらにおどろおどろしい雰囲気を演出している。「悪霊が侵入してしまった!」「悪霊に取り憑かれるか狂乱の宴になるか君たち次第だ〜!」やたら悪霊悪霊連呼しているので1曲目の予想は大方ついた。

ソワソワしながら自席で大人しく待っていると、

ポルノグラフィティがステージに忍び寄る足音がぁ…………ここまできたら後は楽しむがいい...…ハーハッハッハッハ!!!」

と、アナウンスがフェードアウトしていった。いよいよだ、とさらに緊張が高まる。人生でいちばん緊張した日と言っても過言じゃない。

照明が落ち、ステージがスモークに包まれる。立ち上がると信じられないくらい足がガクガクに震えていた。宥めるように足に触れたものの全く震えは収まらない。いかにもな雰囲気のBGMに煽られ、ドキドキが収まらず何度も深呼吸をしながらステージを凝視した。

立てかけられていた扉が開き二人が現れた。暗くてあまりよく見えないけれどそんなことは関係なく、開始早々狂ったように拍手していた。

薄闇の中、ついに二人を視界に捉えた。本物だ!!!と興奮しながらも感動で胸がいっぱいだった。やっと逢えた。

みんなが立ち位置につき、イントロが流れる。1曲目は悪霊少女だった。

 

1、悪霊少女

予想はできていたのにいざこの曲からのスタートだとわかるとこれが1曲目!?!?ヤバくない!?!?と一人でアワアワしてしまった。

「し…」

イントロが短いため落ち着く余裕もなく入りの低音で意識が飛びかけた。手で何かしてることには気づいていたもののあまりよく見えず、ライブビューイングの時に十字架を作っていたと気づいた。

それよりも何よりも歌が上手すぎる。思わず口をあんぐりと開けてしまい、そのまましばらく閉じられなくなった。この時ばかりはマスク必須の世の中でよかったと心から思った。

この曲でいちばんすごかったのはやっぱりロングトーンのところ。音源よりも長かったと思うし1曲目からこれをかませる岡野昭仁のボーカル力は本当に圧巻だった。

開始早々視界が涙で滲む。ずっとずっと逢いたくて逢いたくてたまらなかった人達がいま目の前にいる。ついさっき活字で見た光景が、映像で見てきた光景がいま目の前に広がっている。

この日、ポルノと出会うきっかけになった本(この話はまた別のところで……)を読んでから会場へと向かったのだけど、正直その時点で泣いていた。だから今日絶対泣くだろうとは思っていたけどいくらなんでも早すぎる。泣いている場合じゃない。一秒でも長くこの景色を目に焼き付けたくてどうにか涙を引っ込めた。

フォン

2、バトロワ・ゲームズ
起動音と共に真四角のモニターにPlayStationのロゴをもじったPGの文字が表示された。イントロに合わせて周りが手拍子をし始めたのでわたしも見よう見まねで手を叩く。これが一体感……!!

電脳の戦場で殺し合って ヘッドセット外した現実の朝

まだ脳は濃い目のドーパミンに酔って

血走った赤い目が見ている世界線はどっち

ため息が出るようなかっこよさだった。もう黙ってひれ伏すしかない。ヴァーーーーーートロワゲーーーモゥズ!!!!!のがなり声が本当に鳥肌が立つくらい凄かった。もう一回生で浴びたい。

ボンボンボンボンボンボン………

3、カメレオン・レンズ

カメレン!?!?3曲目で!?!?!?

暁のアルバムに収録されているためまあ来るだろうとは思っていた。でも3曲目なんて聞いてない!!!!!!!早すぎる!!!!!!初参戦の身にはかなりハードというか、こんな濃厚なスタートだとは思っておらずこの後が心配になった。

ただただ目の前の光景に圧倒され続けていた。手も足もずっと震えっぱなしで、少しでも気を抜くと膝から崩れ落ちてしまいそうだった。

 

【挨拶】(🎤→昭仁さん 🎸→晴一さん)

ステージが明るくなった途端客席から大きな拍手が起こった。ようやくここで二人の姿を明るい照明の元、しっかりと捉えることができた。

昭仁さんは上下紺色のセットアップ、晴一さんは黒のジャケットを羽織り、長めのネックレスを付けていた。昭仁さんの衣装があまりにわたし好みだったので否応なしに口角が上がる。というか晴一さんのシャツ、襟元空きすぎじゃないか………?ほんの二日前に出演したベスアでは、ハイネックで首元がガッツリ隠れていたため、見えてはいけないものが見えてしまっているような背徳感とドキドキがあった。

🎤「3階!」

パチパチパチ……!!!後ろの方で拍手が聞こえる。結構大きい。

🎤「……食い気味だねぇ笑。2階!」

パチパチパチパチパチ……!!!!!2階席はさらに大きな拍手だった。

🎤「おお~!いっか……」

パチパチパチパチパチパチパチパチパチ……!!!!!!!

なるべく大きな音が鳴るように強めに手を叩く。嬉しそうに目尻を下げる二人を見てこちらまで嬉しくなった。

🎤「ワシらがー!ポルノグラフィティじゃ!!!!」

ありがとう!!!!!!!!ありがとうございます!!!!!!!!ずっとずっとずーーっと聞きたかった!!!!!!!!やっと聞けた!!!!!!!感動!!!!!!!!!!

🎸「チワッス!晴一ッス!」

えっ!?なに!?!?晴一さん!?!?か、か、可愛い………。

🎤「孫(そん)ね、孫」

🎸「それはオッスやろ!どちらかといえばアラレちゃんよ!」

ポカーンとしていたら置いていかれてしまった。どういうこと???なに?????アラレちゃん?????ライブ後にレポを見てようやく理解しました。

🎤「何度も来たことあるって人ー!初めてって人ー!」

周りが一斉に手を挙げる。当たり前だけど圧倒的に何度も来ている人が多くて、初参戦の人は拍手をすることになった。必死に手を叩いていると昭仁さんと目が合った。「おー!君初めてか!!」と言わんばかりの嬉しそうな表情で何度もうんうんと頷いてくれる。必死に頷き返しながらも今起こったことが信じられず「夢……?」と一人ふわふわしていた。

🎤「はじめましてポルノグラフィティです……トークはこんなもんじゃ…こんなもんです」

平和なゆるゆるトークに心が和んだのか手足の震えがようやく収まり、開始からずっと半開きだった口もやっと閉じることができた。というか15分近くこんなマヌケな格好だったと思うと我ながら情けない。

🎤「ここからはポルノグラフィティの歴史の中からも何曲か聴いてもらおうと思います!」

歴史……アルバム外からか!なにがくるかな、なにがくるかな、と呑気に待ち構えていたけれどイントロが流れた瞬間目を見開いてそのまま固まった。

 

4、ジョバイロ

嘘!?!?!?ジョバイロ!?!?!?!?

中学生の時からずっとずっと大好きな曲だった。クリスマスプレゼントでもらったALL TIME SINGLEでこの曲を見つけた時の、わたしこれ好きだ、と小さく心が動いた感覚は今でも覚えている。けどまさか初参戦で聞けるなんて思いもしなかった。何度も胸を締め付けてくる切ない歌詞とラテン調のメロディーに包み込まれていく。改めて、この歌詞を書いた新藤晴一という人は本当に凄いと思う。

音源で聞くよりも深みのある歌声だった。苦しさも切なさもやるせなさも一枚一枚丁寧に重ねられていて層のようになっている。これまでとはまた違った気持ちでこの曲を楽しむことができた。

あなたが気づかせた恋が あなたなしで育っていく

悲しい花つける前に 小さな芽を摘んでほしい

 

5、Stand for one's wish
一年経ったから正直に言います、全然聞いてませんでしたこの時(ごめんなさい)。なんか聞いた事あるな〜って思ってて家帰って確認したら稀ポで歌ってた。まあ稀ポも暁参戦する二週間くらい前に一度見ただけなんですけど……。

でもほぼ初見曲だったのにノリノリで楽しめた。ライブ映えがすごくてもっとちゃんと聞こうと思いました……。今はめっちゃ聞いてます本当に。

 

6、サボテン

これも聴けると思ってなかった。というかこの時のわたし、セトリ予想マトモにしてなさすぎじゃない……?わずびるはちゃんと考えます。

高校生になってから歌詞の意味がわかるようになった曲だった。けど、あの時はまだ本当の意味で理解できてなかった気がする。一緒にいられるのは当たり前じゃない、肩書きだけで中身がない関係はいつか切り捨てられてしまう。

そしてこれは恋人に限った話ではない。それに気づいた頃だったのでなかなかにタイムリーだった。

前の席の背もたれを掴む手に何度も力が入る。披露される一曲一曲に思い出がありすぎて、溢れ出しそうな感情の行き場が見つからなかった。

 

MC

🎤「プチバズっとる話があるんじゃけど…」
昭仁さんが星乃珈琲でナスとモッツァレラチーズのミートソーススパゲッティを食べていると隣にファンの方が来たが全く気付かれなかった、という話を福岡のMCでしたところ話題となり、Twitterで「もしかして私!?」と心当たりのある方が出てきて、最終的にまとめサイトに一連の流れが載せられるミラクルな展開に。「そうですあなたです!」とハッキリ言っていた。羨ましい。

みんなこういうの好きねぇと笑いながら、過去にファンに全然気づかれなかったエピソードをコミカルな身振り手振りを添えて楽しそうに喋る昭仁さん。めちゃくちゃ可愛かった……ほんとに……。

🎤「こんなカリスマ性のない人がボーカルだけどええの?まあでも気付かれても変な対応しかできんけど笑」

そう言いながら人差し指と中指を揃えておでこの前でかざすポーズをキメる。福岡のMCレポを見てずっと想像で補完していたため、生で見ることができて嬉しかった。なるほど確かにダサい。でも可愛い。

マシンガントークのごとく話し、晴一さんがさいたまスーパーアリーナの警備員に3回も気づいてもらえなかったという相方の過去話までベラベラと暴露する。でもふと我に返ったのか 「みんなこういうのでいいの?ワールドカップの話とかした方がいい?笑」と言い出してMCの話題はサッカーへと移った。ワールドカップが開催されていたため、この時期のMCはどの公演もサッカー話題が多かった。目を輝かせながらあれこれ語る昭仁さんとあまり詳しくなさそうで「ドイツとスペインに勝ったなら余裕じゃん」「なんでコスタリカには負けたん?」とあれこれ尋ねる晴一さん。

トークはほのぼのとしていてどこからどう見てもよく喋る陽気な広島弁のおじさんなのに、歌になると本当に同一人物なのかと思うほどにかっこよくなる。落差についていけない。

 

7、ナンバー

「ここからは暁のアルバムからいくつか聞いてもらおうと思います」という前置きの直後、英国調のイントロが流れ出す。モニターには自然と数字の映像が映し出された。

水車小屋で微睡む猫 小川を越え僕は歩く

草笛の音 蜜蜂のペアダンス

穏やかでゆったりとした曲調だからかそれともMCを挟んだからか、この辺りはかなりリラックスしながら聴いていた記憶がある。心做しか時間の流れがゆっくりになった気がした。

 

8、クラウド

この曲本当に大好きなんです。アルバムの中でもトップクラスに好き。

失恋ソングとは思えないほど爽やかで優しい。未練がましいわけでもなく、一抹の切なさを含みつつも前向きで、いつか綺麗な思い出になりますようにと祈るような歌詞が胸に沁みる。

この時聞いたクラウドとライビュ(武道館)でのクラウドはかなり印象が違っていた。前者は思い出に浸りながらも言葉尻に一縷の切なさを滲ませて歌ってるような感じだった。けど後者は思い出を語っているパートが少し強がってるように聞こえた。どこか暗い雰囲気を纏っていて、後悔や自責の念などが薄いベールを通して透けて見えるようだった。

けれどどちらからも優しい祈りが伝わってきて切なくも温かい気持ちになった。本当に大好きな曲です。

シャララララララ………

9、ジルダ

ライブアレンジの入った少し長めのイントロからスタート。一気に曲の世界観に引き込まれる。

ジルダの主人公、「スペシャルでゴージャスで」の微妙な語彙のなさだとか「カレンダーの余白を虹色にしよう」というなかなかにクサいセリフ(ごめん!)をさらっと言ってしまうところとか、バカだなぁと呆れてしまうけれどなんだか愛おしい気持ちになる。

なによりモニターの映像にちょくちょく映る晴一さんが本当に可愛くて和みました……。歌詞のフォントがどう見ても某アプリでよく見かける字体で困惑していたのだけど、ライブ後にレポを色々読んだらみんな同じような感想で笑ってしまった。だよねあれですよね。

 

🎤「皆さんね、次はしっとり系ですので1回お座りください。皆さんから結構支持されてるのに10周年の時以来やってなかった曲をね、今回はやっていこうと思います」

そんなに長いことやってないレアな人気曲………?なんだろ……。

🎤「うたかたをね、アコースティックバージョンでやりたいと思います」

!?!?!?

🎤「ずっと座りっぱなしも困りますので、ここだというタイミングで、ありますからねわかりやすいのが。そこで立ち上がってください」

う、うたかた!?!?あの!?!?!?ちょ、ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って………

 

10、うたかた

これ聞けるなんて頭の片隅にも思ってなかった。しかもアコースティックバージョンって………。あまりに信じ難く、本当にあのうたかたなのか?わたしが知らないだけで同じタイトルの曲が他に存在するんじゃないか?と変に疑ってしまった。

高校卒業間近によく聞いていた曲だった。全てを強制的に終わりにしてしまう残酷さと儚さを併せ持つ3月の風に似ていると思った。卒業の実感がないまま終えてしまった卒業式が信じられなくて、もうあの毎日に戻れないのが信じられなくて、なんとなく寂しかったのかもしれない。

紺色の照明が照らす中、ピアノの音が優しく鳴り響く。Spotifyに「今年はうたかたをよく聞いていましたね」と言われたくらいには聞いていたのに、アレンジがガッツリ入ってたのもあって初めて聞くかのような感覚に陥った。

夏の日に蜉蝣を見て 何故か愛しく感じた

羽音の調べは優しい 子守唄に

一語一語丁寧に歌っていた姿が本当に美しくて、ここで耐えられなくなってポロポロと涙がこぼれた。今でも映像を見返す度に泣いてしまう。わたしの語彙を総動員してもあの美しさは表現できない。当時、どうにかあの感動を文章に収めたいと思いながらレポを書いていたものの、書けば書くほど安っぽく見えてしまうのが悔しくて悔しくてたまらなかった。でも一年経った今でもあの感動を的確に表現できる言葉と出会えていない。

どうか恋よ 咎めないで

せめてしんと 眠りにつかせて

 

11、瞬く星の下で

なんだろう、次……。うたかたの余韻が抜けないままぼーっとステージを見つめていた。同じような感じのバラード系が来るかな、と待機していると。

見渡す限りの荒野に 一人立っているんだ

そりゃ身震いもするだろう

瞬く星の下で……。意外な選曲だった。

これも一年越しの告白だけど、実は今まであまり素直に聞けなかった曲だった。初めて聞いたのは中学生の時。あの頃は何かを信じることに不安や抵抗感があった。信じたいものも信じられるものもなくて、まっすぐに物事を見つめることができなかった気がする。別に嫌いだったわけではないしソラで歌えるくらいには聞いていたけどなんとなく距離を置いていた。

最小限の照明、物音ひとつ聞こえない静かな会場で力強い歌声とギターだけが鳴り響く。ひとつひとつの歌詞が、言葉が、心を解いていく。

信じるという言葉を 君は子供っぽいと笑うかい?

見渡す限りの荒野で 行き先を示すもの

胸に抱いて歩いていこう 世界がわずかに輝く

昭仁さんの後ろで流れ星が走った。ドラムスティックがカウントを刻む。「ここだというタイミング」がちゃんとわかって嬉しかった。

2番から雰囲気がガラッと変わり原曲に近いものになった。歌声と演奏が心に直接訴えかけてくる。心臓が脈打つのを感じた。

白馬には自分が乗る方がいい

大切な君の手を取り ずっと高くまで行こう

気づいたら泣いていた。うたかたの時とはまた違う涙だった。こんなにも熱い涙は初めてで、止め方もわからずこの世界に浸っていた。窓越しに光る星空が今にも降ってきそうで本当に綺麗だった。

 

12、Zombies are standing out

大   発   狂

皆さんにはこれから生ける屍になってもらいます、と言われた瞬間思わず叫びそうになった。ライブ中何度か声を出したい衝動に駆られたけれど、この時がいちばん危なかった気がする。

ベスアで見た時よりも何倍も迫力があって、そして何倍もカッコよかった。音楽に殴られるとはこういうことなのかと肌で理解した。文字通り生ける屍となった。というかなっちゃうだろこんなの………。本当にとんでもない曲。破壊力がダントツだった。

 

13、メビウス

個人的に生で聴いて印象がいちばん変わった曲ランキング第1位、メビウス。レポそのまま載せるとこんな感じ↓

・「はずかしい はずかしい」のところをくっきりとした発音で歌っていたのが印象に残った。この世で誰よりも声が聞き取りやすいボーカルだと思う。

・あと「わかってんだ」のとこ、すごい感情籠ってて最高だった。

・「こわれてしまった すきだったんだけど」の切なさ半端ない。これがちょっと怖い曲ってことを忘れるくらいじーんとした切なさがあった。

とにかくこれは怖い曲というイメージが強かったけれど、思わず「わかるわかる」と頷いてしまうような誰しもが一度は経験している切なさが含まれている気がした。昭仁さんの表現力が光る一曲だったと思う。でもやっぱり怖いです。

 

インタールード

コントラバスが不穏な音色を震わせる。何が起こるんだ……と震えていると怪しげな音楽が鳴り始めた。晴一さん無双タイム(スーパー晴一タイム)の始まりだった。

聞いているだけで自然にストーリーが浮かんでくるような、ミュージカル仕立てのインスト曲。全てを持っていってしまうほどにカッコよかった。ちなみにこの時のわたしは曲の雰囲気から「渦か………?これはまさか渦ではないか………!?次の曲渦じゃない!?伏線!?!?」と1人でアワアワしてました。違いますよ。

それよりもなぜこれがアルバムに収録されていないのか本当に不思議でたまらない。本当になぜ。

 

14、証言

知らないイントロ……なんだろ………?と思っているとモニターにSHOGENの文字が赤く浮かんだ。愛別離苦やそれを乗り越える苦しさを歌いながらも、全てを失ってもなお最後まで消えない希望があることを証言し続けてくれる曲。息を殺すようにしてじっと聞き入っていた。

 

15、アゲハ蝶

イントロがかかった瞬間に一斉に手拍子やり始めるオタク達が本当に怖かったです。やっぱりアゲハ蝶はやってきた回数が伊達じゃない。一体感がダントツだった。初参戦の身としてはもはや狂気に近い手拍子だった。でもこの空気に呑まれるのが最高に気持ちよくて楽しくて幸せだったなぁ……。

ラララができなかったのが悔しかったけれど、わたし達は手拍子だけでこんなにもひとつになれるんだ、と知ることができてうれしかった。アゲハ蝶に参加出来て本当によかった。

あなたに会えたそれだけでよかった

世界に光が満ちた 夢で会えるだけでよかったのに

まさに今の状況そのもの。今この場に居合わせている感動をひたすら噛み締めていた。

 

16、ミュージック・アワー
「あか!つき!あか!つき!」

みんな大好きミュージック・アワー!の、ファンキーバージョン!!!!歌い始めてからミュージック・アワーだと気づいた。定番曲が連続で続きテンション爆上がりになりながら飛び跳ねる。変な踊りあんなに楽しいんだね。初めて変な踊りを見たのは数年前のMステ。最初に覚えたC&Rだったな……。

2番で歌詞間違えて笑ってたのがめちゃくちゃ可愛くて、それ以外の記憶が吹っ飛んでしまった。レポにもその事しか書いていない。おい。

 

17、VS

モニターに浮かび上がるVSの文字。20周年を象徴する、本人達にとってもファンにとっても大切な1曲。プッシュプレイを聞くようになった直後のリリースだったから、歌詞のつながりにすごく感動した記憶がある。次も、そのまた次もと、何度でも聴きたくなる曲で、ここまでの歴史をとても愛おしく感じる。

そうかあの日の僕は 今日を見ていたのかな

こんなにも晴れわたってる

バーサス 同じ空の下で向かいあおう

あの少年よ こっちも戦ってんだよ

 

18、テーマソング
イントロが聞こえた瞬間、MVの冒頭が脳内再生され、あの続きを体験してるかのような不思議な気持ちになった。

ライブビューイングの時にVS→テーマソングまでの間がほとんどなかったことに気づいて驚いたのだけど、全てを目に焼き付けようと全神経を集中させていたから、ほんの一秒程度の時間があんなに長く──少なくともMVの冒頭が流れるくらいの時間に感じられたのかもしれない。

テーマソングは就職試験の少し前にリリースされた曲でホントにめちゃくちゃ励まされた。試験ギリギリまで聴いてたし辛い時何度も聞いて沢山沢山勇気を貰った。

けどいざ社会人になると毎日の生活に忙殺され続けるばかりで、自分の選択をずっと後悔していた。その時のことを否定しようとすると当時の自分や見守ってくれた周りの人達も否定することになってしまうため、気持ちのやり場が見つからなかった。半年以上苦しさが抜けず、11月くらいにようやく落ち着いてきたばかりだった。

フレーフレーこの私よ そしてフレー私みたいな人

ともに行こう拳あげて

誰のためでもないThis is all my life

だからこそ、あの時テーマソングを聴けて全部救われたというか一年半弱を全部丸ごと肯定された気がした。本当に優しくて温かい曲だと思う。ありがとうと叫びたかった。伸び過ぎた爪が手のひらに痛いほど食いこんでいた。

ほら 見上げれば空があって泣きたくなるほどの青さ

ほら 雲のような白いスニーカーで高く高く登ってゆけ

今その胸は震えているか?

 

19、暁

「いよいよ最後の1曲です。暁というのは夜明け前のとても暗い時間帯のことを言います。けれどその先には今よりももっともっと強い光があります。それを信じて歌いたいと思います」

そんな言葉とともに、暁のイントロが流れ出す。もうこれで最後なのか……と少しだけしんみりしたのも束の間、

あゝ 大地に膝ついたままで天を仰ぎ

!?!?!?!!!!!!?!???????!

昭仁さんが文字通り大地に膝ついて天を仰いだ。ぶっ倒れるかと思った。何が起きたのか理解出来ず、呆然と立ち尽くしていた。なんだこれは………。

19曲目とは思えないほどの声。魂を削りながら全力で歌っているのがわかる。暁は絶対最後だろうな~とは思ってたけど、冷静に考えてアルバムの中でいちばんハイカロリーな曲を持ってこられるの恐ろしすぎないか……?

ここまでずっと歌の上手さに圧倒され続けてきたのに、さらにそれを越えてくるとは思わなかった。しかも本編最後の曲で。キャリアをどれだけ積んでも止まることなくどんどん進化し続ける彼らが本当にカッコよかった。

 

【アンコール】

ポルノ!ポルノ!のリズムで手拍子。大きな声で名前を呼びたい気持ちをグッと堪える。手拍子が徐々に揃い始め、ポルノとサポメンが再びステージに現れた。

🎤「アンコールありがとうございます!!!」

昭仁さんは折古の浜Tシャツ、晴一さんはポルノTシャツでの登場。わたしが今回買ったTシャツと同じじゃないか!!と思わず心の中で歓声を上げた。別にその時着ていたわけじゃないのに、買ったTシャツが同じだっただけで信じられないくらい舞い上がっていた。

M1、Century Lovers

「パーティチューンやるぞ!!!!」という言葉ともに大好きなあのイントロが流れ出す。待ち焦がれたセンラバ!唯一ネタバレが許されていた1曲。これほんとにほんとに楽しみにしててちゃんとボイスト買ってフーフーも吹き込んで(自分の声が恥ずかしかったから音源拝借)準備万端で挑みました。

🎤「さぁさぁ。そろそろ指だけじゃ物足りなくなってきたんじゃない!?吹き込んできてくれたかな!?エービバーディ セーイ!押してみて!」

「フー!フー!」「フー!フー!」「フー!フー!」

見事なまでにバラッバラ。あちこちから小さくフー!フー!が聞こえてくるのシュールで笑った。

一同「wwwwwwwwwwww」

🎤「合わせるの難しいけぇね、もう一回!エービバディ・セーイ!押してみて!」

「フー!フー!」「フー!フー!」「フー!フー!」

またしてもバラバラでもう笑うしかなかった。意外と難しい。

🎤「え、みんなあんまり買ってない?」

観客(慌ててみんなバラバラと押す)

🎤「あ、そうでもない?笑」

こんなやり取りをしながら通常とは少し違う形でフーフーを楽しんだ。

 

M2、Hard Days,Holy Night

ゴリゴリ未履修でした。大変申し訳ございません。これ聞いてなかったのかなり後悔してる。せっかくちょうど就職一年目だったのに……。でも社会人って歌詞が聞こえた瞬間、あ〜~~!社会人やっててよかった!!!!!!!ってなった(単純)。誰よりも早い素敵なクリスマスプレゼントをありがとう。次やる時は全力で「とっくべつーなーひーなのにっ!!」「すっぐにかーえってきて!!」って叫ぼうと思います。

 

メンバー紹介を終え、昭仁さんが熱のこもった口調で語る。若い頃は漠然と、音楽シーンという大海原に自分たちの作品を投げ込んでいた。波紋が大きく広がればいいなと願うような気持ちで。思った以上に届いたり逆に届かなかったりと、反響はその時々によって違った。けれど今回のアルバムは、届ける先がハッキリしていてブレも迷いもなくスラスラと作ることができた。ファンのみんなに届けたい、みんなを感動させたい、びっくりさせたい。そんな気持ちで作ったアルバムです。

この言葉がどれほどうれしかったか。今日来てよかった。20周年を終えて充電期間に入ったポルノグラフィティ。約二年間のソロ活動を遠目ながらもずっと見てきた。新始動と銘打って新曲のリリースとツアーの発表をしたポルノを見て、来年こそは自分のお金でlove upに入って絶対ライブ行くんだ!と改めて決意した。

こんな集大成みたいな、最高のアルバムを引っ提げたツアーに参加できて本当に嬉しい。ポルノグラフィティは終わらない。それを実感できた瞬間だった。同じ目線で同じ熱量をもって向き合えているのが本当に幸せで、こんなにファン冥利に尽きることは他にないと思う。この人達のファンで本当によかった。

🎤「最後はーっ!アホになってぇぇえ帰ろうっ!!!!ジ!!!!レンマー!!!!!!」

 

M3、ジレンマ

テンション再び爆上がり。これがなきゃ終われない。いや全然帰りたくないんですけど………。

ほとんど何も考えていなかった。ひたすら暴れてアホになってはしゃいでいた。手が痛い腕が痛い明日会社行きたくない、全部忘れて最後の1曲を全力で楽しんだ。

ソロ回しでtasukuさんが今宵を、みなちんがサウダージを弾いてたことだけは覚えている。今宵はシンプルに好きな曲だからだと思うけど、サウダージはセトリになくてちょこっとヘコんでいたから(わたしが勝手にやるもんだと思い込んで期待していただけですが)だと思う。ありがとうみなちん。そしてこの時のわたしへ、8ヶ月後に2回も生で聴けたよ。サウダージ本当にすごかったです。よかったね。

 

🎤「あんたら最高じゃ!!!胸張っていけー!!!!自信もっていけー!!!!」

これもずっとずっと聞きたかった。ほんの数メートル前にいる人たちの声が直接鼓膜に届いているのが本当に幸せだった。

2人もサポメンも腰から折って頭を下げているのを見て、ああこれが20年以上愛される所以なんだろうなって思った。お辞儀は正面から見るより少し横から見た方が角度がわかりやすい。ひとつひとつのライブを大切にしているのがお辞儀だけで伝わってきた。

お礼を言いたいのはこっちです。本当にありがとう。

「次会う時まで、元気でね」

いちばん嬉しい言葉だったかもしれない。優しい声だった。元気で「いなくちゃ」という義務感を抱くことも苛まれることもなく、素直に言葉を受け止めることができてうれしかった。
こうして、初めてのポルノライブが終了した。

 

 

あの日から一年。

本当に、ポルノグラフィティを好きになれてよかったと心から思った一日だった。いま思い返してもとても二時間半とは思えないくらい濃い時間だった。全部全部一生モノの大切な思い出。初めてポルノグラフィティの音楽に触れた時の驚きや感動、なんで今まで知らなかったんだろう!?この人達すごい!!という単純な好奇心や興味から、もっと色んな曲を聴きたい!!と一歩踏み込む気持ちに変わったあの瞬間を久々に思い出した。

https://twitter.com/akht99hrit/status/1600791724321779712?s=46&t=QNIZZ8-LRHtl6x-YKZScBg

f:id:akht99hrit:20231201214637j:image

https://twitter.com/akht99hrit/status/1600694388199346177?s=46&t=QNIZZ8-LRHtl6x-YKZScBg

f:id:akht99hrit:20231201214643j:image

ライブに行ってから信じられないくらい心が軽くなった。こんなに元気になれるなんて思ってもなかった。いい意味で肩の力が抜けた気がする。

行く前と後では景色が全然違って見えた。ポルノのライブってすごい。こんなに楽しくて幸せで、何より溢れんばかりの愛を沢山もらった。この日を一生忘れない。

https://twitter.com/akht99hrit/status/1602156865210617857?s=46&t=QNIZZ8-LRHtl6x-YKZScBg

f:id:akht99hrit:20231201214654j:image

もちろん終わってしまった寂しさもあったけれど、自分があの場に居合わせることができたのが本当にうれしくて、なにより誇らしかった。ようやくラバッパーになったばかり、これからもどんどん参戦していきたいと意気込んだ。

この時のわたしはまだ、人生初の夏フェスデビューをすることも(ちなみに夏は嫌いです)、1月からのツアーに3公演も参戦することも、ポルノ建設とかいうよくわからないワードを目にすることも知らない。

次のライブまであとひと月、楽しみで楽しみでワクワクが止まらない。どれだけ期待値が高い状態で挑んでも、いつもそれを飛び越えて想像を大きく上回る景色を見せてくれるポルノグラフィティ。感動は想像を越えたところにある。次はどんな景色が見られるかな。

はじめまして

はてなブログ始めました、らんです。

 

文章を書くのが好きなこともあり元々かなり関心はあったのですが、なかなか踏み出せず………。でもここ一年で仲良くなったフォロワーさんに絵師の方が多く、ほぼ毎日TLに流れてくる神絵を眺めているうちに、自分もオタクとして何か発信してみたい!という気持ちが強くなり今回思い切って開設に至りました。発信、というと偉そうですが要はわたしが書きたいことを書く自己満足の場です。

noteも考えたんですけど、他の用途で使用しているのと、はてなブログだと数字や反応にあまり囚われずに書きたいことを書ける気がしたのでこちらを選びました。

 

ここではライブレポや好きな曲についてなど、色々自由にゆるーく書いていこうと思っています。ほぼ自分語りの場となると思いますが、お付き合い頂けるとうれしいです。