らん

宝箱

初参戦を一年ぶりに振り返る

去年の今日、12月5日はポルノグラフィティ18th LIVE CIRCUIT暁 愛知公演1日目だった。わたしが初めてポルノグラフィティに生で逢えた日。

ということで一年前を振り返ってみる。記憶だけじゃさすがに心許ないのでライブ円盤や会報、当時のツイートや勢いのままに書いたライブレポを見返しながら書いていこうと思う。

 

2022年12月5日

長い長い列が進みいよいよ入場、チケットを表示させたスマホの画面を見せる。スタッフさんが画面に指を置くと大きく「入場済」の文字が現れた。こんなシステムなのか!と感心しつつ会場のドアを開けると、ステージが思った以上に近くて驚いた。三日前、座席が出て職場で声を上げそうになったのを思い出す。

∠らん on X: "うわああああああああああ https://t.co/9tFEEBAyD6" / X

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本当に息が止まるかと思った。職場で叫ぶ訳にも行かないのでTwitterの方で思いっきり絶叫させていただきました。

踏み締めるように階段を一段一段降りていく。1階席の後方でこんなに近いなら前の方もっとヤバいんじゃないか………?そんなことを思いながら自分の席を見つけた時想像以上の近さに思わず泣きそうになった。ステージから10mくらいしか離れていない。すぐ目の前にスピーカーがあるため鼓膜が破れないかだけ心配だった。でもそんなことよりも初参戦なのにこんな近くで二人を見てもいいの………?贅沢過ぎないか………?

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見てわかる通りずっと興奮しっぱなしで開始前から早くもトランス状態だった。必死に呼吸を整え、一旦落ち着こうとまだ誰もいないステージを眺めた。

色々な大きさのパネルが散らばるように吊るされていて、暁の色味をした小さなシャンデリアが3つ並んでいる。そして扉が立てられていた。ライブ会場というよりディズニーやユニバなんかにありそうなホラー系のアトラクションに近い感じだった。何よりアナウンスがさらにおどろおどろしい雰囲気を演出している。「悪霊が侵入してしまった!」「悪霊に取り憑かれるか狂乱の宴になるか君たち次第だ〜!」やたら悪霊悪霊連呼しているので1曲目の予想は大方ついた。

ソワソワしながら自席で大人しく待っていると、

ポルノグラフィティがステージに忍び寄る足音がぁ…………ここまできたら後は楽しむがいい...…ハーハッハッハッハ!!!」

と、アナウンスがフェードアウトしていった。いよいよだ、とさらに緊張が高まる。人生でいちばん緊張した日と言っても過言じゃない。

照明が落ち、ステージがスモークに包まれる。立ち上がると信じられないくらい足がガクガクに震えていた。宥めるように足に触れたものの全く震えは収まらない。いかにもな雰囲気のBGMに煽られ、ドキドキが収まらず何度も深呼吸をしながらステージを凝視した。

立てかけられていた扉が開き二人が現れた。暗くてあまりよく見えないけれどそんなことは関係なく、開始早々狂ったように拍手していた。

薄闇の中、ついに二人を視界に捉えた。本物だ!!!と興奮しながらも感動で胸がいっぱいだった。やっと逢えた。

みんなが立ち位置につき、イントロが流れる。1曲目は悪霊少女だった。

 

1、悪霊少女

予想はできていたのにいざこの曲からのスタートだとわかるとこれが1曲目!?!?ヤバくない!?!?と一人でアワアワしてしまった。

「し…」

イントロが短いため落ち着く余裕もなく入りの低音で意識が飛びかけた。手で何かしてることには気づいていたもののあまりよく見えず、ライブビューイングの時に十字架を作っていたと気づいた。

それよりも何よりも歌が上手すぎる。思わず口をあんぐりと開けてしまい、そのまましばらく閉じられなくなった。この時ばかりはマスク必須の世の中でよかったと心から思った。

この曲でいちばんすごかったのはやっぱりロングトーンのところ。音源よりも長かったと思うし1曲目からこれをかませる岡野昭仁のボーカル力は本当に圧巻だった。

開始早々視界が涙で滲む。ずっとずっと逢いたくて逢いたくてたまらなかった人達がいま目の前にいる。ついさっき活字で見た光景が、映像で見てきた光景がいま目の前に広がっている。

この日、ポルノと出会うきっかけになった本(この話はまた別のところで……)を読んでから会場へと向かったのだけど、正直その時点で泣いていた。だから今日絶対泣くだろうとは思っていたけどいくらなんでも早すぎる。泣いている場合じゃない。一秒でも長くこの景色を目に焼き付けたくてどうにか涙を引っ込めた。

フォン

2、バトロワ・ゲームズ
起動音と共に真四角のモニターにPlayStationのロゴをもじったPGの文字が表示された。イントロに合わせて周りが手拍子をし始めたのでわたしも見よう見まねで手を叩く。これが一体感……!!

電脳の戦場で殺し合って ヘッドセット外した現実の朝

まだ脳は濃い目のドーパミンに酔って

血走った赤い目が見ている世界線はどっち

ため息が出るようなかっこよさだった。もう黙ってひれ伏すしかない。ヴァーーーーーートロワゲーーーモゥズ!!!!!のがなり声が本当に鳥肌が立つくらい凄かった。もう一回生で浴びたい。

ボンボンボンボンボンボン………

3、カメレオン・レンズ

カメレン!?!?3曲目で!?!?!?

暁のアルバムに収録されているためまあ来るだろうとは思っていた。でも3曲目なんて聞いてない!!!!!!!早すぎる!!!!!!初参戦の身にはかなりハードというか、こんな濃厚なスタートだとは思っておらずこの後が心配になった。

ただただ目の前の光景に圧倒され続けていた。手も足もずっと震えっぱなしで、少しでも気を抜くと膝から崩れ落ちてしまいそうだった。

 

【挨拶】(🎤→昭仁さん 🎸→晴一さん)

ステージが明るくなった途端客席から大きな拍手が起こった。ようやくここで二人の姿を明るい照明の元、しっかりと捉えることができた。

昭仁さんは上下紺色のセットアップ、晴一さんは黒のジャケットを羽織り、長めのネックレスを付けていた。昭仁さんの衣装があまりにわたし好みだったので否応なしに口角が上がる。というか晴一さんのシャツ、襟元空きすぎじゃないか………?ほんの二日前に出演したベスアでは、ハイネックで首元がガッツリ隠れていたため、見えてはいけないものが見えてしまっているような背徳感とドキドキがあった。

🎤「3階!」

パチパチパチ……!!!後ろの方で拍手が聞こえる。結構大きい。

🎤「……食い気味だねぇ笑。2階!」

パチパチパチパチパチ……!!!!!2階席はさらに大きな拍手だった。

🎤「おお~!いっか……」

パチパチパチパチパチパチパチパチパチ……!!!!!!!

なるべく大きな音が鳴るように強めに手を叩く。嬉しそうに目尻を下げる二人を見てこちらまで嬉しくなった。

🎤「ワシらがー!ポルノグラフィティじゃ!!!!」

ありがとう!!!!!!!!ありがとうございます!!!!!!!!ずっとずっとずーーっと聞きたかった!!!!!!!!やっと聞けた!!!!!!!感動!!!!!!!!!!

🎸「チワッス!晴一ッス!」

えっ!?なに!?!?晴一さん!?!?か、か、可愛い………。

🎤「孫(そん)ね、孫」

🎸「それはオッスやろ!どちらかといえばアラレちゃんよ!」

ポカーンとしていたら置いていかれてしまった。どういうこと???なに?????アラレちゃん?????ライブ後にレポを見てようやく理解しました。

🎤「何度も来たことあるって人ー!初めてって人ー!」

周りが一斉に手を挙げる。当たり前だけど圧倒的に何度も来ている人が多くて、初参戦の人は拍手をすることになった。必死に手を叩いていると昭仁さんと目が合った。「おー!君初めてか!!」と言わんばかりの嬉しそうな表情で何度もうんうんと頷いてくれる。必死に頷き返しながらも今起こったことが信じられず「夢……?」と一人ふわふわしていた。

🎤「はじめましてポルノグラフィティです……トークはこんなもんじゃ…こんなもんです」

平和なゆるゆるトークに心が和んだのか手足の震えがようやく収まり、開始からずっと半開きだった口もやっと閉じることができた。というか15分近くこんなマヌケな格好だったと思うと我ながら情けない。

🎤「ここからはポルノグラフィティの歴史の中からも何曲か聴いてもらおうと思います!」

歴史……アルバム外からか!なにがくるかな、なにがくるかな、と呑気に待ち構えていたけれどイントロが流れた瞬間目を見開いてそのまま固まった。

 

4、ジョバイロ

嘘!?!?!?ジョバイロ!?!?!?!?

中学生の時からずっとずっと大好きな曲だった。クリスマスプレゼントでもらったALL TIME SINGLEでこの曲を見つけた時の、わたしこれ好きだ、と小さく心が動いた感覚は今でも覚えている。けどまさか初参戦で聞けるなんて思いもしなかった。何度も胸を締め付けてくる切ない歌詞とラテン調のメロディーに包み込まれていく。改めて、この歌詞を書いた新藤晴一という人は本当に凄いと思う。

音源で聞くよりも深みのある歌声だった。苦しさも切なさもやるせなさも一枚一枚丁寧に重ねられていて層のようになっている。これまでとはまた違った気持ちでこの曲を楽しむことができた。

あなたが気づかせた恋が あなたなしで育っていく

悲しい花つける前に 小さな芽を摘んでほしい

 

5、Stand for one's wish
一年経ったから正直に言います、全然聞いてませんでしたこの時(ごめんなさい)。なんか聞いた事あるな〜って思ってて家帰って確認したら稀ポで歌ってた。まあ稀ポも暁参戦する二週間くらい前に一度見ただけなんですけど……。

でもほぼ初見曲だったのにノリノリで楽しめた。ライブ映えがすごくてもっとちゃんと聞こうと思いました……。今はめっちゃ聞いてます本当に。

 

6、サボテン

これも聴けると思ってなかった。というかこの時のわたし、セトリ予想マトモにしてなさすぎじゃない……?わずびるはちゃんと考えます。

高校生になってから歌詞の意味がわかるようになった曲だった。けど、あの時はまだ本当の意味で理解できてなかった気がする。一緒にいられるのは当たり前じゃない、肩書きだけで中身がない関係はいつか切り捨てられてしまう。

そしてこれは恋人に限った話ではない。それに気づいた頃だったのでなかなかにタイムリーだった。

前の席の背もたれを掴む手に何度も力が入る。披露される一曲一曲に思い出がありすぎて、溢れ出しそうな感情の行き場が見つからなかった。

 

MC

🎤「プチバズっとる話があるんじゃけど…」
昭仁さんが星乃珈琲でナスとモッツァレラチーズのミートソーススパゲッティを食べていると隣にファンの方が来たが全く気付かれなかった、という話を福岡のMCでしたところ話題となり、Twitterで「もしかして私!?」と心当たりのある方が出てきて、最終的にまとめサイトに一連の流れが載せられるミラクルな展開に。「そうですあなたです!」とハッキリ言っていた。羨ましい。

みんなこういうの好きねぇと笑いながら、過去にファンに全然気づかれなかったエピソードをコミカルな身振り手振りを添えて楽しそうに喋る昭仁さん。めちゃくちゃ可愛かった……ほんとに……。

🎤「こんなカリスマ性のない人がボーカルだけどええの?まあでも気付かれても変な対応しかできんけど笑」

そう言いながら人差し指と中指を揃えておでこの前でかざすポーズをキメる。福岡のMCレポを見てずっと想像で補完していたため、生で見ることができて嬉しかった。なるほど確かにダサい。でも可愛い。

マシンガントークのごとく話し、晴一さんがさいたまスーパーアリーナの警備員に3回も気づいてもらえなかったという相方の過去話までベラベラと暴露する。でもふと我に返ったのか 「みんなこういうのでいいの?ワールドカップの話とかした方がいい?笑」と言い出してMCの話題はサッカーへと移った。ワールドカップが開催されていたため、この時期のMCはどの公演もサッカー話題が多かった。目を輝かせながらあれこれ語る昭仁さんとあまり詳しくなさそうで「ドイツとスペインに勝ったなら余裕じゃん」「なんでコスタリカには負けたん?」とあれこれ尋ねる晴一さん。

トークはほのぼのとしていてどこからどう見てもよく喋る陽気な広島弁のおじさんなのに、歌になると本当に同一人物なのかと思うほどにかっこよくなる。落差についていけない。

 

7、ナンバー

「ここからは暁のアルバムからいくつか聞いてもらおうと思います」という前置きの直後、英国調のイントロが流れ出す。モニターには自然と数字の映像が映し出された。

水車小屋で微睡む猫 小川を越え僕は歩く

草笛の音 蜜蜂のペアダンス

穏やかでゆったりとした曲調だからかそれともMCを挟んだからか、この辺りはかなりリラックスしながら聴いていた記憶がある。心做しか時間の流れがゆっくりになった気がした。

 

8、クラウド

この曲本当に大好きなんです。アルバムの中でもトップクラスに好き。

失恋ソングとは思えないほど爽やかで優しい。未練がましいわけでもなく、一抹の切なさを含みつつも前向きで、いつか綺麗な思い出になりますようにと祈るような歌詞が胸に沁みる。

この時聞いたクラウドとライビュ(武道館)でのクラウドはかなり印象が違っていた。前者は思い出に浸りながらも言葉尻に一縷の切なさを滲ませて歌ってるような感じだった。けど後者は思い出を語っているパートが少し強がってるように聞こえた。どこか暗い雰囲気を纏っていて、後悔や自責の念などが薄いベールを通して透けて見えるようだった。

けれどどちらからも優しい祈りが伝わってきて切なくも温かい気持ちになった。本当に大好きな曲です。

シャララララララ………

9、ジルダ

ライブアレンジの入った少し長めのイントロからスタート。一気に曲の世界観に引き込まれる。

ジルダの主人公、「スペシャルでゴージャスで」の微妙な語彙のなさだとか「カレンダーの余白を虹色にしよう」というなかなかにクサいセリフ(ごめん!)をさらっと言ってしまうところとか、バカだなぁと呆れてしまうけれどなんだか愛おしい気持ちになる。

なによりモニターの映像にちょくちょく映る晴一さんが本当に可愛くて和みました……。歌詞のフォントがどう見ても某アプリでよく見かける字体で困惑していたのだけど、ライブ後にレポを色々読んだらみんな同じような感想で笑ってしまった。だよねあれですよね。

 

🎤「皆さんね、次はしっとり系ですので1回お座りください。皆さんから結構支持されてるのに10周年の時以来やってなかった曲をね、今回はやっていこうと思います」

そんなに長いことやってないレアな人気曲………?なんだろ……。

🎤「うたかたをね、アコースティックバージョンでやりたいと思います」

!?!?!?

🎤「ずっと座りっぱなしも困りますので、ここだというタイミングで、ありますからねわかりやすいのが。そこで立ち上がってください」

う、うたかた!?!?あの!?!?!?ちょ、ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って………

 

10、うたかた

これ聞けるなんて頭の片隅にも思ってなかった。しかもアコースティックバージョンって………。あまりに信じ難く、本当にあのうたかたなのか?わたしが知らないだけで同じタイトルの曲が他に存在するんじゃないか?と変に疑ってしまった。

高校卒業間近によく聞いていた曲だった。全てを強制的に終わりにしてしまう残酷さと儚さを併せ持つ3月の風に似ていると思った。卒業の実感がないまま終えてしまった卒業式が信じられなくて、もうあの毎日に戻れないのが信じられなくて、なんとなく寂しかったのかもしれない。

紺色の照明が照らす中、ピアノの音が優しく鳴り響く。Spotifyに「今年はうたかたをよく聞いていましたね」と言われたくらいには聞いていたのに、アレンジがガッツリ入ってたのもあって初めて聞くかのような感覚に陥った。

夏の日に蜉蝣を見て 何故か愛しく感じた

羽音の調べは優しい 子守唄に

一語一語丁寧に歌っていた姿が本当に美しくて、ここで耐えられなくなってポロポロと涙がこぼれた。今でも映像を見返す度に泣いてしまう。わたしの語彙を総動員してもあの美しさは表現できない。当時、どうにかあの感動を文章に収めたいと思いながらレポを書いていたものの、書けば書くほど安っぽく見えてしまうのが悔しくて悔しくてたまらなかった。でも一年経った今でもあの感動を的確に表現できる言葉と出会えていない。

どうか恋よ 咎めないで

せめてしんと 眠りにつかせて

 

11、瞬く星の下で

なんだろう、次……。うたかたの余韻が抜けないままぼーっとステージを見つめていた。同じような感じのバラード系が来るかな、と待機していると。

見渡す限りの荒野に 一人立っているんだ

そりゃ身震いもするだろう

瞬く星の下で……。意外な選曲だった。

これも一年越しの告白だけど、実は今まであまり素直に聞けなかった曲だった。初めて聞いたのは中学生の時。あの頃は何かを信じることに不安や抵抗感があった。信じたいものも信じられるものもなくて、まっすぐに物事を見つめることができなかった気がする。別に嫌いだったわけではないしソラで歌えるくらいには聞いていたけどなんとなく距離を置いていた。

最小限の照明、物音ひとつ聞こえない静かな会場で力強い歌声とギターだけが鳴り響く。ひとつひとつの歌詞が、言葉が、心を解いていく。

信じるという言葉を 君は子供っぽいと笑うかい?

見渡す限りの荒野で 行き先を示すもの

胸に抱いて歩いていこう 世界がわずかに輝く

昭仁さんの後ろで流れ星が走った。ドラムスティックがカウントを刻む。「ここだというタイミング」がちゃんとわかって嬉しかった。

2番から雰囲気がガラッと変わり原曲に近いものになった。歌声と演奏が心に直接訴えかけてくる。心臓が脈打つのを感じた。

白馬には自分が乗る方がいい

大切な君の手を取り ずっと高くまで行こう

気づいたら泣いていた。うたかたの時とはまた違う涙だった。こんなにも熱い涙は初めてで、止め方もわからずこの世界に浸っていた。窓越しに光る星空が今にも降ってきそうで本当に綺麗だった。

 

12、Zombies are standing out

大   発   狂

皆さんにはこれから生ける屍になってもらいます、と言われた瞬間思わず叫びそうになった。ライブ中何度か声を出したい衝動に駆られたけれど、この時がいちばん危なかった気がする。

ベスアで見た時よりも何倍も迫力があって、そして何倍もカッコよかった。音楽に殴られるとはこういうことなのかと肌で理解した。文字通り生ける屍となった。というかなっちゃうだろこんなの………。本当にとんでもない曲。破壊力がダントツだった。

 

13、メビウス

個人的に生で聴いて印象がいちばん変わった曲ランキング第1位、メビウス。レポそのまま載せるとこんな感じ↓

・「はずかしい はずかしい」のところをくっきりとした発音で歌っていたのが印象に残った。この世で誰よりも声が聞き取りやすいボーカルだと思う。

・あと「わかってんだ」のとこ、すごい感情籠ってて最高だった。

・「こわれてしまった すきだったんだけど」の切なさ半端ない。これがちょっと怖い曲ってことを忘れるくらいじーんとした切なさがあった。

とにかくこれは怖い曲というイメージが強かったけれど、思わず「わかるわかる」と頷いてしまうような誰しもが一度は経験している切なさが含まれている気がした。昭仁さんの表現力が光る一曲だったと思う。でもやっぱり怖いです。

 

インタールード

コントラバスが不穏な音色を震わせる。何が起こるんだ……と震えていると怪しげな音楽が鳴り始めた。晴一さん無双タイム(スーパー晴一タイム)の始まりだった。

聞いているだけで自然にストーリーが浮かんでくるような、ミュージカル仕立てのインスト曲。全てを持っていってしまうほどにカッコよかった。ちなみにこの時のわたしは曲の雰囲気から「渦か………?これはまさか渦ではないか………!?次の曲渦じゃない!?伏線!?!?」と1人でアワアワしてました。違いますよ。

それよりもなぜこれがアルバムに収録されていないのか本当に不思議でたまらない。本当になぜ。

 

14、証言

知らないイントロ……なんだろ………?と思っているとモニターにSHOGENの文字が赤く浮かんだ。愛別離苦やそれを乗り越える苦しさを歌いながらも、全てを失ってもなお最後まで消えない希望があることを証言し続けてくれる曲。息を殺すようにしてじっと聞き入っていた。

 

15、アゲハ蝶

イントロがかかった瞬間に一斉に手拍子やり始めるオタク達が本当に怖かったです。やっぱりアゲハ蝶はやってきた回数が伊達じゃない。一体感がダントツだった。初参戦の身としてはもはや狂気に近い手拍子だった。でもこの空気に呑まれるのが最高に気持ちよくて楽しくて幸せだったなぁ……。

ラララができなかったのが悔しかったけれど、わたし達は手拍子だけでこんなにもひとつになれるんだ、と知ることができてうれしかった。アゲハ蝶に参加出来て本当によかった。

あなたに会えたそれだけでよかった

世界に光が満ちた 夢で会えるだけでよかったのに

まさに今の状況そのもの。今この場に居合わせている感動をひたすら噛み締めていた。

 

16、ミュージック・アワー
「あか!つき!あか!つき!」

みんな大好きミュージック・アワー!の、ファンキーバージョン!!!!歌い始めてからミュージック・アワーだと気づいた。定番曲が連続で続きテンション爆上がりになりながら飛び跳ねる。変な踊りあんなに楽しいんだね。初めて変な踊りを見たのは数年前のMステ。最初に覚えたC&Rだったな……。

2番で歌詞間違えて笑ってたのがめちゃくちゃ可愛くて、それ以外の記憶が吹っ飛んでしまった。レポにもその事しか書いていない。おい。

 

17、VS

モニターに浮かび上がるVSの文字。20周年を象徴する、本人達にとってもファンにとっても大切な1曲。プッシュプレイを聞くようになった直後のリリースだったから、歌詞のつながりにすごく感動した記憶がある。次も、そのまた次もと、何度でも聴きたくなる曲で、ここまでの歴史をとても愛おしく感じる。

そうかあの日の僕は 今日を見ていたのかな

こんなにも晴れわたってる

バーサス 同じ空の下で向かいあおう

あの少年よ こっちも戦ってんだよ

 

18、テーマソング
イントロが聞こえた瞬間、MVの冒頭が脳内再生され、あの続きを体験してるかのような不思議な気持ちになった。

ライブビューイングの時にVS→テーマソングまでの間がほとんどなかったことに気づいて驚いたのだけど、全てを目に焼き付けようと全神経を集中させていたから、ほんの一秒程度の時間があんなに長く──少なくともMVの冒頭が流れるくらいの時間に感じられたのかもしれない。

テーマソングは就職試験の少し前にリリースされた曲でホントにめちゃくちゃ励まされた。試験ギリギリまで聴いてたし辛い時何度も聞いて沢山沢山勇気を貰った。

けどいざ社会人になると毎日の生活に忙殺され続けるばかりで、自分の選択をずっと後悔していた。その時のことを否定しようとすると当時の自分や見守ってくれた周りの人達も否定することになってしまうため、気持ちのやり場が見つからなかった。半年以上苦しさが抜けず、11月くらいにようやく落ち着いてきたばかりだった。

フレーフレーこの私よ そしてフレー私みたいな人

ともに行こう拳あげて

誰のためでもないThis is all my life

だからこそ、あの時テーマソングを聴けて全部救われたというか一年半弱を全部丸ごと肯定された気がした。本当に優しくて温かい曲だと思う。ありがとうと叫びたかった。伸び過ぎた爪が手のひらに痛いほど食いこんでいた。

ほら 見上げれば空があって泣きたくなるほどの青さ

ほら 雲のような白いスニーカーで高く高く登ってゆけ

今その胸は震えているか?

 

19、暁

「いよいよ最後の1曲です。暁というのは夜明け前のとても暗い時間帯のことを言います。けれどその先には今よりももっともっと強い光があります。それを信じて歌いたいと思います」

そんな言葉とともに、暁のイントロが流れ出す。もうこれで最後なのか……と少しだけしんみりしたのも束の間、

あゝ 大地に膝ついたままで天を仰ぎ

!?!?!?!!!!!!?!???????!

昭仁さんが文字通り大地に膝ついて天を仰いだ。ぶっ倒れるかと思った。何が起きたのか理解出来ず、呆然と立ち尽くしていた。なんだこれは………。

19曲目とは思えないほどの声。魂を削りながら全力で歌っているのがわかる。暁は絶対最後だろうな~とは思ってたけど、冷静に考えてアルバムの中でいちばんハイカロリーな曲を持ってこられるの恐ろしすぎないか……?

ここまでずっと歌の上手さに圧倒され続けてきたのに、さらにそれを越えてくるとは思わなかった。しかも本編最後の曲で。キャリアをどれだけ積んでも止まることなくどんどん進化し続ける彼らが本当にカッコよかった。

 

【アンコール】

ポルノ!ポルノ!のリズムで手拍子。大きな声で名前を呼びたい気持ちをグッと堪える。手拍子が徐々に揃い始め、ポルノとサポメンが再びステージに現れた。

🎤「アンコールありがとうございます!!!」

昭仁さんは折古の浜Tシャツ、晴一さんはポルノTシャツでの登場。わたしが今回買ったTシャツと同じじゃないか!!と思わず心の中で歓声を上げた。別にその時着ていたわけじゃないのに、買ったTシャツが同じだっただけで信じられないくらい舞い上がっていた。

M1、Century Lovers

「パーティチューンやるぞ!!!!」という言葉ともに大好きなあのイントロが流れ出す。待ち焦がれたセンラバ!唯一ネタバレが許されていた1曲。これほんとにほんとに楽しみにしててちゃんとボイスト買ってフーフーも吹き込んで(自分の声が恥ずかしかったから音源拝借)準備万端で挑みました。

🎤「さぁさぁ。そろそろ指だけじゃ物足りなくなってきたんじゃない!?吹き込んできてくれたかな!?エービバーディ セーイ!押してみて!」

「フー!フー!」「フー!フー!」「フー!フー!」

見事なまでにバラッバラ。あちこちから小さくフー!フー!が聞こえてくるのシュールで笑った。

一同「wwwwwwwwwwww」

🎤「合わせるの難しいけぇね、もう一回!エービバディ・セーイ!押してみて!」

「フー!フー!」「フー!フー!」「フー!フー!」

またしてもバラバラでもう笑うしかなかった。意外と難しい。

🎤「え、みんなあんまり買ってない?」

観客(慌ててみんなバラバラと押す)

🎤「あ、そうでもない?笑」

こんなやり取りをしながら通常とは少し違う形でフーフーを楽しんだ。

 

M2、Hard Days,Holy Night

ゴリゴリ未履修でした。大変申し訳ございません。これ聞いてなかったのかなり後悔してる。せっかくちょうど就職一年目だったのに……。でも社会人って歌詞が聞こえた瞬間、あ〜~~!社会人やっててよかった!!!!!!!ってなった(単純)。誰よりも早い素敵なクリスマスプレゼントをありがとう。次やる時は全力で「とっくべつーなーひーなのにっ!!」「すっぐにかーえってきて!!」って叫ぼうと思います。

 

メンバー紹介を終え、昭仁さんが熱のこもった口調で語る。若い頃は漠然と、音楽シーンという大海原に自分たちの作品を投げ込んでいた。波紋が大きく広がればいいなと願うような気持ちで。思った以上に届いたり逆に届かなかったりと、反響はその時々によって違った。けれど今回のアルバムは、届ける先がハッキリしていてブレも迷いもなくスラスラと作ることができた。ファンのみんなに届けたい、みんなを感動させたい、びっくりさせたい。そんな気持ちで作ったアルバムです。

この言葉がどれほどうれしかったか。今日来てよかった。20周年を終えて充電期間に入ったポルノグラフィティ。約二年間のソロ活動を遠目ながらもずっと見てきた。新始動と銘打って新曲のリリースとツアーの発表をしたポルノを見て、来年こそは自分のお金でlove upに入って絶対ライブ行くんだ!と改めて決意した。

こんな集大成みたいな、最高のアルバムを引っ提げたツアーに参加できて本当に嬉しい。ポルノグラフィティは終わらない。それを実感できた瞬間だった。同じ目線で同じ熱量をもって向き合えているのが本当に幸せで、こんなにファン冥利に尽きることは他にないと思う。この人達のファンで本当によかった。

🎤「最後はーっ!アホになってぇぇえ帰ろうっ!!!!ジ!!!!レンマー!!!!!!」

 

M3、ジレンマ

テンション再び爆上がり。これがなきゃ終われない。いや全然帰りたくないんですけど………。

ほとんど何も考えていなかった。ひたすら暴れてアホになってはしゃいでいた。手が痛い腕が痛い明日会社行きたくない、全部忘れて最後の1曲を全力で楽しんだ。

ソロ回しでtasukuさんが今宵を、みなちんがサウダージを弾いてたことだけは覚えている。今宵はシンプルに好きな曲だからだと思うけど、サウダージはセトリになくてちょこっとヘコんでいたから(わたしが勝手にやるもんだと思い込んで期待していただけですが)だと思う。ありがとうみなちん。そしてこの時のわたしへ、8ヶ月後に2回も生で聴けたよ。サウダージ本当にすごかったです。よかったね。

 

🎤「あんたら最高じゃ!!!胸張っていけー!!!!自信もっていけー!!!!」

これもずっとずっと聞きたかった。ほんの数メートル前にいる人たちの声が直接鼓膜に届いているのが本当に幸せだった。

2人もサポメンも腰から折って頭を下げているのを見て、ああこれが20年以上愛される所以なんだろうなって思った。お辞儀は正面から見るより少し横から見た方が角度がわかりやすい。ひとつひとつのライブを大切にしているのがお辞儀だけで伝わってきた。

お礼を言いたいのはこっちです。本当にありがとう。

「次会う時まで、元気でね」

いちばん嬉しい言葉だったかもしれない。優しい声だった。元気で「いなくちゃ」という義務感を抱くことも苛まれることもなく、素直に言葉を受け止めることができてうれしかった。
こうして、初めてのポルノライブが終了した。

 

 

あの日から一年。

本当に、ポルノグラフィティを好きになれてよかったと心から思った一日だった。いま思い返してもとても二時間半とは思えないくらい濃い時間だった。全部全部一生モノの大切な思い出。初めてポルノグラフィティの音楽に触れた時の驚きや感動、なんで今まで知らなかったんだろう!?この人達すごい!!という単純な好奇心や興味から、もっと色んな曲を聴きたい!!と一歩踏み込む気持ちに変わったあの瞬間を久々に思い出した。

https://twitter.com/akht99hrit/status/1600791724321779712?s=46&t=QNIZZ8-LRHtl6x-YKZScBg

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https://twitter.com/akht99hrit/status/1600694388199346177?s=46&t=QNIZZ8-LRHtl6x-YKZScBg

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ライブに行ってから信じられないくらい心が軽くなった。こんなに元気になれるなんて思ってもなかった。いい意味で肩の力が抜けた気がする。

行く前と後では景色が全然違って見えた。ポルノのライブってすごい。こんなに楽しくて幸せで、何より溢れんばかりの愛を沢山もらった。この日を一生忘れない。

https://twitter.com/akht99hrit/status/1602156865210617857?s=46&t=QNIZZ8-LRHtl6x-YKZScBg

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もちろん終わってしまった寂しさもあったけれど、自分があの場に居合わせることができたのが本当にうれしくて、なにより誇らしかった。ようやくラバッパーになったばかり、これからもどんどん参戦していきたいと意気込んだ。

この時のわたしはまだ、人生初の夏フェスデビューをすることも(ちなみに夏は嫌いです)、1月からのツアーに3公演も参戦することも、ポルノ建設とかいうよくわからないワードを目にすることも知らない。

次のライブまであとひと月、楽しみで楽しみでワクワクが止まらない。どれだけ期待値が高い状態で挑んでも、いつもそれを飛び越えて想像を大きく上回る景色を見せてくれるポルノグラフィティ。感動は想像を越えたところにある。次はどんな景色が見られるかな。